ひと夏の・・・if
夏休みを利用して東京に戻ってきた僕は、翔吾くんと会う約束を取り付けた。冬にも帰ったんだけどその時は向こうの都合がつかなくて会えなかった。だからちゃんと顔を合わせるのは1年振りだ。親友と会うのは勿論楽しみなんだけど、久しぶりなせいか妙に緊張す…
小説(頁)みらきみ
ひと夏の・・・
今日この日を俺は待っていた!壁の時計は午後1時10分前。掃除も完璧、ファブリーズも完璧!あとは姫が来るのを・・・「ピンポーン」キター!!!!!!!!!!俺は勝手にニヤつく顔を叩きながら玄関までダッシュ、そして勢い良く戸を開ける!「ちゃ、ちゃ…
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憧れの人編
LOCK-AX(ロックアックス)を初めて知ったのは、小6の冬だった。たまたま深夜の音楽番組でやっていたプロモーションビデオ特集、そこで画面に映されたとある人達に、俺の目はたちまち釘付けとなった。「Hulieyer Loneliness(ユー…
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ライバル編アフター
誰よりも先に目が覚めてしまった翔吾は、一人ベランダで黄昏ていた。カラカラカラ。程なくして誰かが入ってくる気配に振り向くと、少し寝ぼけ眼の黎夜が立っていた。丁度思考の中心にいた人物が現れたことに驚いたが、平静を装って言った。「黎夜?起こしてし…
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ライバル編
夏休みの午後、俺と片桐は駅前通りを繁華街に向かって歩いていた。片桐の幼馴染がこちらに来ているから、俺に紹介したいんだそうだ。正直あまり気乗りしなかったが、相手の方も俺に会いたがっているって言うから、行かない訳にも行かなくなってしまった。ただ…
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みらきみ3
昼休みが終わってからというもの、ずっと俺は上の空だった。間垣に「なんかあった?」と何度か問われたりしたが、何があったかなんて言えるわけがない。色んなことが一気にありすぎて、自分でもまだ理解しきれていないのだから。屋上で、不思議な場所の幻覚を…
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みらきみ2
「まさかるっしーが屋上にいたとはねぇー。そりゃー誰にも見つからんはずだわ。つーか、あったことすら知らなかったし!」間垣は特大唐揚げ弁当をかき込みながら言った。やっぱり、ここでも屋上は幻の場所らしい。まぁ、それもそうだろう。
屋上に続く階段の…
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みらきみ1
頬杖をついて、誰もいなくなった教壇をまだ眺めていた。片桐の泣き顔を見たときの、あの感覚は何だったんだろう?懐かしいような、切ないような、遠い昔に忘れてしまった感情が呼び起こされるような感覚。
今日の俺は少し変かもしれない。突然現れた異分子に…
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みらきみ序
俺はきっと、何か大切なものを忘れている。何となく、ずっとそんな得体の知れない喪失感を抱えながら生きてきた。そう思うのは、ずっと俺の心の中に残っている、初恋の子の記憶のせいだ。5つか6つくらいの時だっただろうか。俺には、好きな子がいた。一緒に…
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